HopiHopi日記

読書日記(書評 ブックレビュー 読書感想文)に雑記少々。本を読んで、いろいろ考えます。

読書(評論・エッセイ)

あの日あの時あの場所で君に会えなかったら。/内田樹 『街場の戦争論』

内田樹さんの『街場の戦争論』を読みました。 なんだか内田さんの本をよく読んでるな、と思って数えてみると覚えているだけで今年7冊目でした。既読本の読み返しを含めると「月一」を遥かに上回るペースでウチダ本を読んでいました。 内田さんの著作は最近読…

のび太のくせに生意気だ。/ジョージ・フリードマン『100年予測』

本書は今後100年間の世界の動向を予測したレポートだ。これは胡散臭い予言の書ではなく、地政学という地理的条件を中心に各国の現状を分析した結果、今後起こる蓋然性が高い事象を取りまとめた内容となっている。地政学とは、世界について考え、将来の出来事…

金だけがすべてじゃないだろう?/平川克美 『移行期的混乱 経済成長神話の終わり』

日々、目にする不吉なニュースの数々。グローバリズム、長期デフレ、年金問題、少子高齢化。或いは不可解な殺人事件や、ため息しか出ない政治・経済の不祥事。 いつの間にか「閉塞感」を感じるようになって久しい。自分の未来に対する漠然とした、しかし確か…

憲法と国民国家と資本主義/内田樹 『憲法の「空語」を充たすために』

今日本で最も注目されている思想家の1人・内田樹の新著が「かもがわ出版」という京都の小さな出版社*1 から出されたということが、この本の全てを物語っています。 この『憲法の「空語」を充たすために』は、大手出版社から出すことができない程、過激な主張…

文体よさらば/保坂和志 『書きあぐねている人のための小説入門』

前回のエントリでも書いたけど、ブログを始めてから文章について考えることが多くなった。僕は文章を書くのに、とても時間がかかる。挙句にあんまり上手くない。一体みんなどうやって文章を書いているんだろう?あのブロガーさんの個性的な文章は誰かモデル…

君の才の天上のものなるに驚歎し、己が才の如きは地上一隅のものなるを思わざるは無し/穂村弘 『本当はちがうんだ日記』

ブログを書くのが生活に組み込まれるようになって、1週間が経った。2、3日に1エントリが限界だが、それでも、日記すら付けたことの無い私からすれば、隔世の感がある。このまま習慣化されると良いと思う。 しかし、ブログを書き始めて、自分に文章力が大分…

マンガを通して世界を眺めてみよう/内田樹 『街場のマンガ論』

内田樹さんの『街場のマンガ論』読了。 内田樹さんの文章は僕の大好物で、真っ当な常識人的意見と、学術的で「誰も言わないこと」のセキセントリシティのバランスが絶妙で、こんな大人が身近に居たら絶対楽しい人部門で堂々第1位を獲得しています。どの文章…